まずお断りしておくが、自分は今のところ淡水の釣りしかしない。ソルトでこういうメンテをするとBBがもたないのかもしれない。
ノーマルベアリングの片面のシールドを外して、パーツクリーナーで油脂をすっかり除去したところへ、ベアリングオイルを一滴か半滴垂らす。オイルを行き渡らせるため、ベアリングをピンセットに刺して指先で回す。いきなり勢いよくブン回すとドライスタートとなって軌道やボールを傷めるので、最初の約10回転はぐっとこらえて羽根で撫でるが如くそろそろと回さなければいけない。馴染んだら勢いよく、しばし、滑らかな回転を味わう。ん〜気持ちいい___これはこれで一種の変態かもしれない。
ベアリングオイルは、自分は今まで
YTフュージョンの
金の雫というやつを使ってきた。よく回り、雨に降られながら釣りをしてもオイルが乳化するようなこともなく、概ね満足していた。ただ、1日釣りをしたあとピンセットに刺してもう一度回してみると、前夜ほどの気持ちいい回転はもうない。財布にも優しくない。
で、ある日、変なことを思いついた。十数年前に入手したケミチューンというエンジンオイル添加剤が、物置に残っているのを思い出したのだ。昔おんぼろのランクル40に乗っていた頃、ディーゼルオイルにこいつをドーピングして、なんとか寿命を延ばした経験がある。ギアやシリンダが摩擦を受けるに従って、金属表面に硬質の被膜が出来るというシロモノで、おんぼろ車には間違いなく効果があった。その頃たまたま、発売元の
日本ジープセンターが近所だったこともあり、よく遊びに行った。ジープやミリタリービークルの世界では有名なショップらしいが、半ば解体されたカーキやオリーブドラブの厳ついクルマが敷地内にごろごろしていて、社長もスタッフも独特で、変な店だったなぁ。そういえば、ヨンマルに乗っていると、同じヨンマルとすれ違う時に「あんたも苦労してまんなー」って感じで互いに合図を送ったりするんだよなー。懐かしいなぁ。
...話がずれた。現実に戻ろう。ごくプレーンな精製油に、ケミチューンを混ぜたらどうかと思ったのだ。さっそくホームセンターへ行き、
エーゼットの
ミシンオイル:100ml入り税込み204円を買ってきた。裏書きには「精製白色スピンドル油 JISマシン10相当」と書いてある。
10相当というのは粘度のことで、ホームページで再確認するとISO VG10とある。一緒に買った70円のオイル差しに小分けして揺すってみると、色といいさらさら加減といい、スコーピオン付属のオイルと瓜二つだ。
金の雫に比べれば少〜しだけとろみが強い。添加剤の配合はケミチューンの推奨通り、ベースオイルのだいたい10%とする。
Revoエリート7から外したBBを改めてパーツクリーナーで洗浄してから、謹製ケミシンオイルを垂らす。いつものようにピンセットの先で回してみる。惰性で回る回数は金の雫