リールグリス考
2015-04-15


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も失敗だった。性状からもネット情報からも、デュラエースはカルシウム石けんグリスに違いない。柔らかいが粘りが強すぎて回転が重くなる、リールには全く不向きなグリスだった。カルシウム石けんグリスはカップグリスあるいはシャーシグリスとも呼ばれ、自動車のホイールハブやクレーン車のアームとか水中ポンプなど、雨水にじゃばじゃば洗われる部位に大量に使用されるグリスで、どちらかといえば潤滑よりシール力や持続性が売り。しかも、グリス界では並級品扱いで、一般的な市場相場はキロ数百円程度と安価。小分けにしてかっこいいラベルを貼ってあれば喜んで大枚をはたくという人はアベノミクスのためにもどんどん使っていただきたい。

写真が現時点での愛用グリス達

  1. モチュール テックグリス300 リチウム石けんグリス ちょう度:NLGI-2 やっと行き着いた1本。メインドライブギアはこれに限る。スピニングも含め、ギアボックスの中はこいつだけで通す時もある。リールによっては多少「シャーシャー」音が気になる人もいるかもしれないが、基油(半合成)の良さなのか、動きは滑らかだ。糸引き系の粘りがないので定着がよく持ちもいい。シールドベアリングの中に充填されているグリスもリチウム石けん系のはずであり、回転の軽さよりも耐久性を重視したい位置のベアリングの、シーリング目的にも気兼ねなく使える。もちろんスプールベアリングにグリスは使わない。
  2. ダイワ リールガードグリス グリス種不明(おそらくリチウム石けん) ちょう度:不明(NLGI-00〜0程度?) レベルワインドウォームギアに使用。ごく少量しか付けないので10年経ってもなくならない。今はパッケージが全然違って、これよりサラサラ。
  3. ワコーズ スーパーSG シリコングリス(PTFE添加) ちょう度:不明(NLGI-1程度?) 軽負荷もしくはあまり連続的に動かない部位や、水に触れる可能性の高い、主にプラスチックパーツに使用している。クラッチレバー(ノブ)の両端とボディとの接触面、クラッチレバープレートとシャーシとの接触面、ハンドルノブシャフト、レベルワインドパイプの外面、レベルワインドガイドピンの表面、メカニカルブレーキキャップのネジ部及びOリングなどだ。いずれもハンドクリーム感覚の少量塗布。クラッチヨーク周りに使う時だけは少し多めに付ける。
  4. Abu リールルーブ PTFEグリス ちょう度:不明(NLGI-0〜1程度?) レベルワインドを駆動する樹脂製ギアなど負荷のごく小さい箇所に使用。少し糸引きがあるため、糸状になってギアからだんだん離れていってしまうのが難点だ。スーパーSGで挙げた箇所は全てこいつでも代用可能。PTFEグリスの特性上、耐水性は高いはずだが、スーパーSGよりちょう度が低いため繰り返し水に洗われると流れやすく、一度オーバーホールして満足してしまう無精な人には不向き。

番号無しは、グリスでないがついでに。ネジの緩み止め・スレッドロックだ。多量に使うものではないのでこいつも長年の使用でラベルが消えかけているが、LOCTITE(ロックタイト)という製品の中強度版。別メーカーでPermatexという製品もあり、そっちも有名だ。リールだけでなくノートPCなどの分解組み立てにも必需品。付けすぎには注意。


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